「成功した人生」とはそもそも何なのか。
富と名声、高級車とシャンパン、美女とブランドのスーツ・・・とどのつまり
「ステイタス」を手に入れることが成功なのか。間違いない。
ステイタスを手に入れることは成功者の証だ。
カネとクルマとオンナとオーシャンビューさえあれば、何不自由なく余裕の笑みで
慈善活動や表現活動に寄り道することだってできる。
貧しい環境下でロクな光景を見たことがない。
嘘、ネグレクト、禁断症状、虚脱感、抑うつ状態、やり場のない苦しみ、罵声、青アザ、ヘラヘラした大人、叫び声、声を押し殺して泣く子供・・・
現実の厳しさにやられて、安い酒でごまかして生きた結果、腐って発見される魂。
季節が移ろうごとに目の輝きは失せ、笑うことを忘れて、一生冬を越せない亡者。
クソみたいな平日と、週末ごった返すクソみたいなパチンコ屋。
衰弱した児童、注射痕だらけのコールガール、ピースサインの異常犯罪者
「嗚呼、カネさえあれば」
カネさえあれば優しく生きられそうな気がする。
カネさえあれば柔らかい愛に包まれて生きていける。
そんな信仰心にすがって、あえぎ声やうめき声がするボロ小屋で眠る明け方。
成功とは何なのか。成功をクリエイトすることなんて出来るのか。
鏡に映し出される貧しくて汚くて、みじめさで浮腫みきった寝起き顔に向かい問う。
以上、スラムでゲットーな名古屋のアンダーグラウンドをありがた迷惑気味に語りました。
ライター:さかなクン(魚類学者)
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